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こんにちは。
ゆるゆるです。
来年6月に那須川天心VS武尊の試合が行われることが発表されました。
格闘技界において長らく対戦が熱望されていた両選手がようやく闘います。
両選手のプロフィール等については以下の記事でお話しをしましたので、良かったら見てください。
今回は天心VS武尊の実現までの経緯をお話ししていきたいと思います。
那須川天心VS武尊
天心からの挑戦
2015年11月のK-1の大会にて、-55kg王座を防衛しリング上で「僕、大みそかめっちゃ暇なのでよろしくお願いします」と大みそかのRIZIN参戦を希望した武尊選手に対し、観客席にいた天心選手が、花道で歩み寄り「大みそかで!」と対戦を直訴したところが始まりです。
武尊選手はこの試合後の会見にて、この年の年末のRIZIN参戦について聞かれ、「組まれればやります。組まれたらいつでもやります。」と発言しています。
さらにRIZINの榊原実行委員長も、武尊選手の試合を受け入れたい旨の発言をしていました。
ここまでの流れからすると、天心VS武尊戦はスムーズに決まりそうに見えますが、2015年末どころか、その翌年以降も実現しませんでした。
K-1運営側が天心サイドを提訴
このように、天心VS武尊はなかなか実現しないまま時が流れていきました。
そんな中、2018年に大きなトラブルに発展してしまいました。
天心選手がRIZINでの大みそかの試合後にリング上で誰と対戦してほしいかをファンに問いかけました。
この問いかけにファンはもちろん武尊選手の名前を挙げます。
これに対し天心選手は「ぜひ来年中にやりましょう!」と発言。会場は大いに盛り上がりました。
大みそかという注目の集まるリングの上で、武尊選手に対戦要求を出したのです。
旧K-1全盛期であればこのような発言があれば、すぐに試合が組まれていたでしょう。
(そもそも2015~17の間に組まれていたかな。。)
しかし、これに対しK-1運営側がとったアンサーは、「他団体の興行に対する不当な介入にあたる」として民事訴訟を起こすことでした。
これには多くの格闘技ファンが呆れました。
K-1という団体の絶対的王者が負けることがあってはブランドに傷がつくと考えての判断と言われていますが、結果的にK-1運営側のこの行動により、武尊が逃げているという図式を作り、K-1のブランドイメージを下げてしまったのではないでしょうか。
格闘家として強い相手と戦いたいと思うのは自然なことで、それを発言しただけで訴えられてしまい、天心選手の中で武尊戦への興味が薄くなっていってしまいました。
その後の両者の発言
2018年12月のK-1大阪大会で皇治選手に勝利し、スーパーフェザー級の王座防衛を果たした武尊選手は、試合後にリング上で、
「いろいろ団体とかありますが、正直…分かってますよ。実現するのは難しいことなんですよ。(中略)難しいことがありますが、僕が格闘技を背負う、変えるとずっと言ってきているので、時期は分からないですが、僕は必ず実現させようと思っています。」
と発言。自身の口から天心選手の名前こそ出さなかったものの、明らかにそれとわかる発言をし話題となりました。
一方の天心選手は、メイウェザーとのエキシビジョンマッチのドキュメンタリー映像にて、以下のように発言しています。
「それをやるんだったら東京ドームしかないですよね。」
「形だけで言ってるのか、本当に言ってるのかっていうのが~」
これに対し、武尊選手はツイッター上でこのように返答しています。
形だけって。
— 武尊 takeru (@takerusegawa) 2019年2月11日
そんな中途半端な言葉ファンの前で発しない。
相手を責めたり貶してても実現しないから
実現させる為の言葉を贈りますよ。
東京ドームで会いましょう。
さらに天心選手は2019年9月にRISEの-58kgトーナメントで優勝し、そのリング上で、
・自分は逃げも隠れもしない
・SNSで書き込むなら正式なオファーをくれ
という趣旨の発言をしました。
これに対しても武尊選手は以下のように反応しました。
オファー出せるなら
— 武尊 takeru (@takerusegawa) 2019年9月16日
とっくにお互い出してるでしょ。
色々言いたいことあるけど
今はその為に自分が信じることを全力でやるだけ。
絶対実現させるから待ってて。
まずは11月24日絶対勝つ。
これ以降も、武尊選手は試合実現に向けて話し合いをしている旨の発言を繰り返していました。
2020年3月のK'sFestaにおいても、団体の垣根を超えた大きな格闘技イベントの開催を訴えていました。
周囲からの影響
2020年4月には元K-1ファイターの皇治選手が、K-1からRIZINに移籍。
K-1に対して都内で家が買えるほどの違約金を払ったとのこと。
高額の違約金を払ってまでRIZINに来た理由は「武尊VS天心戦を実現させるため」と発言しました。
これに対し、武尊選手は不快感を示しました。
自分がメリットあるから決めた道なんだから都合よく人の名前使うなよ。
— 武尊 takeru (@takerusegawa) 2020年7月18日
本当にその為に頑張ってきた人達からしたからお前は全く関係ない。
周りからの見え方とか考えてないで
自分がやりたいことがあるなら
自分の名前でやれよ。
まだ引退してない一格闘家なんだったら
— 武尊 takeru (@takerusegawa) 2020年7月18日
他人の試合の為にとか言ってないで
自分の試合で闘えよ。
こっちはこっちで実現させるから。
それにファンとか色んな物背負って移籍したんだったら
そっちでトップ獲るくらいの気持ちでやれよ。
モチベーションがそこじゃないなら
K-1背負うとか言う資格ない。
その後皇治選手は天心選手と試合を行いKOこそされませんでしたが、何もできず完敗しました。
試合後に「天心より武尊の方が強い」と発言したことにより、ファンの間でもどちらが強いのかという論争が起こり、ファンの間では未だ熱量が衰えない待望のカードということがわかりました。
そして、試合実現に向けて大きく動き出す事件が起こりました。
武尊のRIZIN来場・天心のK-1来場
2020年大みそか。
天心選手が出場するRIZIN.26に突如武尊選手が来場。
カメラに映る武尊選手にファンは騒然となりました。
K-1の中村プロデューサーもこのカードの実現に向けて動いている旨をツイッターで発言し、いよいよ実現の機運が高まります。
天心選手も、3月のK’sFESTAに来場し、武尊VSレオナぺタス戦を観戦しました。
試合に勝利した武尊選手も天心選手に語り掛けるなど、一時の関係が嘘のように思えました。
天心のボクシング転向
そして、天心選手が2022年3月のRISE出場をもってキックボクシングを引退し、ボクシングに転向することを発表しました。
これによって、天心VS武尊の実現に関して1年というタイムリミットが設定されました。
そんな中、RIZINの榊原代表が、6月に完全中立の興行として天心VS武尊を行う予定だったと発言。
武尊選手が先の試合で怪我をしたことにより流れてしまい、抑えていた会場はRIZINを開催しました。
実際には試合が流れたとはいえ、確実に交渉のテーブルについていることがわかり、大みそかに実現するのではないかと多くのファンが予想していました。
しかし、12月に入っても一向に発表されることはなく、榊原代表も自信を「ノーコメントおじさん」と呼ぶなど、停滞の感が漂っていました。
もはや実現しないと予想する人も多くいました。
その理由としては、
- 十分な調整期間を設けずに、この試合を実現させるとは考えにくい
- 仮に、両陣営がすでに合意をしており、ギリギリのサプライズ発表を狙っているとしても、興行としてのメリットが無い
- 大晦日の実現が無いとすると、天心選手が出場するのは3月のRISEのみであり、そこでの対戦では、武尊選手の希望する”中立なリング”ではなくなってしまう
という点が挙げられます。
以上のことから、実現は絶望的かと思われていました。
急転直下の試合決定
2021年12月24日
RIZINの榊原代表、武尊選手、天心選手の3名同席の会見が開かれ、2022年6月某日、天心VS武尊を行うことが発表されました。
主催はRIZINでもK-1でもRISEでもない中立な舞台で、榊原さんが実行委員長として舵取りを行っていくようです。
この試合を行うために天心選手はキックボクシング引退を延長し、この試合をもって引退することとなりました。
実現しない理由として挙げた3点は天心選手が2022年3月にRISEの試合をもって引退することが前提に挙げられたものでしたが、その前提から変えてしまったのです。
気になるルールですが
- ワンキャッチ・ワンアタックのキックボクシングルール
- 契約体重は-58㎏(前日計量)当日計量で4㎏までリカバー可(62㎏)
以上のことが決定しているとのことです。
ラウンド数やジャッジ基準についてはこれから詳細を詰めていくとのこと。
武尊選手は完全決着の為に無制限ラウンドを希望し、天心選手も判定までいかなければいいだけのことと、お互いKOで決着をつけたい意思を示しました。
具体的な日付や会場についても調整中ですが、東京ドームや新国立競技場での開催を狙っているようです。
また、天心VS武尊以外の試合についても検討しているとのことで、こちらも団体の垣根を超えた試合を実現してくれそうです。
この大会がきっかけで今後も団体の垣根を超えた大会を定期的に開催できるようになれば、以前のような格闘技ブームも再び起こるのではないでしょうか。
詳細が発表されましたら、また記事を投稿したいと思います。